おくり火

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おくり火


昨日は、お盆の 「おくり火」 でした。

火が燃え尽きて、鎮まるまで・・・ 火を見つめながら・・・

いろいろ、思いを巡らせました。

昨日、8月15日は、終戦記念日でもありました。

そんな・・・終戦後・・・日本が復興する時の記事を思い出しました。



                                           【以下引用文】
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天皇は、禅定の間といわれる部屋の前で足を止め、ある女の子を見つめて

時を忘れたように佇んだ。

侍従長は心配になった。 京都御所発輦(はつれん)以来、一日の休みもなく巡幸を続け、

洗心寮は福岡県から佐賀への入境早々の行幸先だった。 ふいに胸が高鳴る。

が、やがて天皇は引き込まれるようにして話しかけた。

見ると、女の子が手にしていたのは位牌だった。


 「お父さん、お母さん?」

天皇は話しかけた。
 
位牌は二つだった。

 「はい。これが父と母です」

女の子は答えた。

 「どこで?」

 「父はソ満国境で、母は引き揚げの途中です」

 「お淋しい?」

女の子は口元を引き締めた。

 「淋しくありません。 私は仏さまの子どもですから」

天皇は少し驚いて女の子の目を見つめたが、女の子はひるまずに続けた。

  「仏さまの子は父にも母にも、お浄土でもう一度、会えるんです。
  
  だから父や母に会いたくなったら、私は仏さまに手を合わせます。
 
  そして父と母の名前を呼ぶんです。すると父も母も、私のそばにやってきて、

   私をそっと抱いてくれるんです。 私は淋しくありません。 私は仏の子です」


天皇は女の子をしばらく見つめたあと、部屋に入った。

右手の帽子を左に持ち替え、空けた右手で女の子の頭をゆっくり、

時間をかけて撫でつつ、なおも話しかけた。


 「仏の子どもはお幸せね。これからも立派に育ってくださいね」

 言うなり、大粒の涙が一つ、二つ、こぼれ落ちる。

 すると、ふいに女の子は呼んだ。

 「お父さん・・・」

そこにいた大人たちは、言葉をなくして顔を覆った。
 
海千山千の新聞記者までが、嗚咽を抑えられない始末だ。

もはや天皇はあふれる涙を隠そうともしない。

天皇には、こらえられぬ事のない剛の風を備えた武人の一面もあった。

が、この時ばかりは、ついにこらえるのをあきらめてしまったようだった。

寮を去るまで付いてきてしまった大勢の子どもたちに見送られ、

天皇は因通寺を後にした。


< 「日本の天皇 国難と天皇の歴史」 (徳間書店)第一部 
日本人として知っておきたい 「国難」 と天皇の歴史(監修/松崎敏彌)より>】

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