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三ヶ日町、佐久米の石雲寺に、伝説が伝わっているそうです。


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《三ケ日町昔ばなし【民話と伝説】》

～～～　31体観世音　～～～

三ヶ日町佐久米に石雲寺という寺がある。　この寺は浜名湖岸を一眺に見渡せる
山腹にあるので、風景は誠に絶景。　それに、またこの寺の阿弥陀堂には
33体の観音像が安置されていた。

それは、何百年か前の住職が、西国33ヶ所お参りして歩くのは大変だから寺
に設けようといって、西国33ヶ所になぞらえた33体の観音像を造って寺に安置
したのだった。

それで、各地から、善男善女が参拝にきて、一時は非常なにぎわいをみせた、

ところが、それから何代か後の事、これの維持やその他で、寺が傾いて寺の
経営が困難になってきた。　

これは困った、どうかして早く金を作らなければならない。　と時の住職は考えて、
その頃あまり繁盛しなくなった、この33体の観音像を売却して金を作ることにした。

それで、その事を檀家の人達に話すと、檀家の人たちは、お寺の事ですからと
・・・では、私に是非一体を・・・私にも・・・と、みんな金を払って買っていってくれた。

そして自分の家の仏壇にいれて、まつっていた。　

ところがである、どうしたわけか観音像を買って行った家には不幸が訪れてきた。
あの家では、子どもが木から落ちて足を折ったそうな。　

あの家では娘さんが重病だと。　と、悪い話ばかりあった。
観音像を買った33戸が、大なり小なり、何かの不幸に見舞われているのだった。

変だな。　その中に、誰ということなくお寺にあった33体の観音像を俗気に置くから
罰が当たったに、違いない。　と言うのである。

そうかもわからない。　病人のある家などでは、その話を聞くと、すぐに観音像を持って、
どうぞ、お受け取りくださいと、石雲寺に代金のことは言わずに返しに来た。

すると病人は、ほどなくなおるのだだった。　それで、だれも　かれも、それなら、
わたしも、私も、とみんな返しに来たおかげで、お寺はお金を集めただけ、

観音像は、元のようになった。　しかし、33体の中に、二体だけは、どうしても
帰ってこなかった。　どうしたわけかわからない。

これで、31体の観音像は、元のように阿弥陀堂にまつられて、檀家を初め隣村の
人達からも、殊の外喜ばれてお帰りになった観音様、としていっそうの信仰を集めたという。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（三ケ日町の昔はなし）参照
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三ヶ日町の民話と伝説

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