里の家

カテゴリー │社会・歴史関連

おじいさんが山へ芝刈りに・・・おばあさんは川へ洗濯に・・・

は、「桃太郎」でしたか・・?

ま~でも、そんな感じの日本昔話はよく聞きましたよね~ にっこり

昔は・・そんな芝刈り山へ、薪を拾いに行ったり、

堆肥用の落ち葉を拾いに行ったり・・

キノコを採りに行ったり、建築用の材木にしたり、

炭焼き用の木を集めたり・・・

大昔は、山が生活の糧だったんですよねぇ~・・

生活に直結していた裏山・・なんていう感じの山が、

日本全国にたくさんあったんでしょうね~

今回、初めてお邪魔させていただきました、

都田里の家の裏山もそんな感じでした。

◆ 里の家
  http://satono-ie.org/field.html

                                                           
【山にはハンモックが張ってあります】
里の家



子どもの頃、裏山でよく遊んだ山に似ていますね~。 

雑木・・唐松・・広葉樹が中心の森です。

自然な感じの森の風景でした。 そんな森が辺り一帯に広がっていました。

この日も、近所の薪ストーブのあるお宅の方が、薪を拾いに来ていました。

そして、私は・・・チョット周辺を散策しました。

そこで、あきらかに様子が違う林が隣接している光景を目にしました。

里の家の裏山・・・そのすぐ隣山は、キレイに整備され植林された、

杉・檜が林立する人工林の森・・・

天竜の山の植林されたキレイな森によく似た感じですね・・

・・・で、その対比が明確で・・明確すぎておもしろかったです。

ここからこっちは、人工林・・・ここからこっちは自然林・・

そんな感じで明確に線引きされたように別れています。

                                                                  
【里の家の加藤さん】
里の家



人工林の方は、当然山主さんがいて、所有権がはっきりしていて

 しっかり管理されているのだと思います。

下草刈りなどもしっかりやって、手入れしているのだと思いますね。

・・・で、里の家の裏山は、自然林・・・そのままの感じです。

もちろん、多少の管理・整備はしていますが・・・

加藤さんが言うには、この山は、昔は入会地として使われていた山だそうです。

「へぇ~~そうなんですかぁ~~」 なんて答えましたが・・・

あれっ・・? 入会地って、何でしたっけ・・?


入会地とは・・
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「入会地・入会権」

薪炭用の間伐材や堆肥用の落葉等を村民が伐採・利用していた慣習に由来し、

その利用及び管理に関する規律は各々の村落において成立していた。


https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%A5%E4%BC%9A%E5%9C%B0

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%A5%E4%BC%9A%E6%A8%A9

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

山を、所有権を決めずに共同で利用してきた・・・ということなんでしょうね~



里の家



大昔は、誰の所有物でもない土地や山を、自分も他人も・・

さらに動物も木や植物も・・・

みんなのモノとして生活していたんでしょうね~~

そして、人間も隣近所の共同体として・・生活の糧として

 「みんなの山」 として守られ

共同利用してきたんでしょうねぇ~・・ 「みんなの森」 として・・・仲良く・・・

それが、明治期にいたり、近代所有権概念の下、

山林等の所有者が明確に区分され

登録された。それが・・戦後になって、エネルギーが木炭から石油に変わり・・・

食料も材木等の建築材も輸入材がほとんどを占めるようになり・・・

個人主義が推奨され村落共同体が崩壊し、

入会地の利用がほとんどなくなったという事情から、

入会地の意味を失っていった・・・

そして・・・立法時に想定していた入会地は、その意義を失ったかに見えるが・・・

林業や牧畜のほか、駐車場経営など、積極的経済活動の目的で入会地を

利用するケースが見られるようになり、また、

道路開発・別荘地開発等における

登記名義人と入会権者の権利調整、

さらには山林の荒廃による環境問題といった新たな問題が

発生するようになったため、入会権という概念の現代的意義が

見直されるようになってきたということらしいですね・・・



里の家



まぁ~・・でも、近代・・現代だけ特に問題がクローズアップされやすいんですが、

大昔も問題が無かったわけではないですね、

三ヶ日でも入会地を巡る悲しい事件がありました。


◆ 義民の碑
http://rebox.hamazo.tv/e1877332.html


「俺たちの山に勝手に入り込むんじゃね~」

「生活のため・・・生きていくために少しばかり大目に見てくれないか・・・?」

「だめだ、これは決まりだ、規則だ、

ルールだ、法律だ、マナーだ、憲法だ!!」

「くそ~・・話し合いではらちがあかない・・かくなるうえは・・・」


こんな感じで、事件が起こったんでしょうかね~・・・?

盗むつもりではなく、少しお裾分け程度の気持ちだったのかもしれません・・?

それが大きな事件に発展する・・・

このような事件が、日本各地で様々なかたちで、

大昔からあったと思いますね

・・・で、多くの地域ではいろいろなルールを決めて

うまくやっていこうとしたんでしょうかね~・・・





里の家


日本全国にも入会地という地名が使われている地名はたくさんあると思います。

それだけ入会地文化は全国で成立していたんでしょうね~

それが、明治の改革で、入会権から所有権に変わり現在に至る・・・

この所有権という問題・・・・

現代でもいろいろなトラブルの原因になることもあるでしょう。

個人で所有の山主さん、山の所有者さんであれば・・・

当然自分の山をどのように利用しようが自分の都合です。

「オレの山なんだから、俺が自由に使う・・・部外者は立ち入り禁止・・・」

「山に入って、植物採集も薪拾いも、キノコ取りも山芋掘りも一切禁止の立ち入り禁止」

そんなことも出来るでしょう。

自分で植林し自分で下草刈りをしたり、手間暇かけて大切に育てた木材を

自分の財産としてしっかり守る・・・あたりまえで、当然のことだと思います。

山でなくても、これが自分の家・・自分の庭・・自分の畑・・自分の田んぼ

でもそうです。 「オレの所有権だから・・・」

当然の主張です。 誰も否定することは出来ません。



里の家




非常に乱暴な決めつけかもしれませんが、自然(地球資源の限界)と折り合って

生きていく入会地という先人の知恵は、金持ちが土地を買い占めたり、

税金を効率よく集めたりしたいと願う一部の人間たちによって踏みにじられ、

現代に至っているということです。

その結果、我々は、自然(物質循環)や共同体(人間の環)から切り離され、

賃金というか細い糸にすがって生きる弱い存在になりはててしまいました。

これが 「近代」 であり、 「文明」 のもたらしたものなのです。
  
その入会地という考え方・・・入会地の消滅が教えることはただひとつ、

近代文明とは、「奪う文明」 だったということです。

奪う相手は、たとえば労働者だったり、発展途上国だったり、

地球環境そのものだったりします。

しかし、どちらにしろ、奪われる存在が必要です。

それがなくなれば、この文明は自動的に終了します。




里の家



そんな歴史的変遷がある中で、これからの未来社会として、この入会地を

現代的にアレンジし入会権というものを考え直し

入会地文化を生成していこうという動きがあります。

現代風に言えば、 土地をシェア するそんな感じでしょうか・・

現在の流れでも、建物をシェアするとか、部屋をシェアする

シェアハウス、畑を共同で運営するシェア農業・・・

大昔の入会地の考え方を現代に復活させ現代社会と融合させようとする

動きは、今後ますます発展していくように思いますね~

おもしろいと思います。

そんな先進的な取り組みをすでに行動しながら実践しているチームが

すでにあるんですね~ すばらしいですね・・・

◆ パーマカルチャー中部

◆ TT浜松フォレストガーデン部
http://tthamamatsu.net/wp/category/forestgarden/

フォレストガーデンという考え方・・・まさに、入会地・・・

入会権と共通する考え方があると思います。





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そして・・さらに・・・アグロフォレストリーという考え方・・・

◆アグロフォレストリー

農作物以外の 家畜、鳥、虫、その他の動物等も含め様々な多様性を考慮した

農林複合経営(のうりんふくごうけいえい)、

混農林業(こんのうりんぎょう)、 森林農業(しんりんのうぎょう)

人間以外の家畜とか様々な生物、微生物等も含め多くの生物と

共生しうる農業的考え方・・・とでも言えるんでしょうかねぇ~~・・

少し前に・・・日本でもアグロフォレストリーと呼ばれる農法の

効果や問題点などが話し合われたらしいですね


◆ 環境活動家のマリーナ・シウヴァ(マリナ・シルバ)氏が10月10日(土)、初来日した。
http://megabrasil.jp/20151014_25959/


ブラジル北部で行われている環境に配慮しながら生産性を上げていくことが可能な

農法の話をされたそうですね・・・


里の家



入会地を巡る戦い・・・所有権を巡る戦い・・・様々な戦いを経て現在では

シェアするという考え方と所有権、自然農法と管理農業・・・

多様性を巡る戦い・・・様々な戦いが繰り広げられていくことと思います。




里の家



さて・・・この日は、里の山の近くでサッカーの試合が開催されていたらしく

歓声や応援がものすごくよく山に響いていましたね~

最初、どこかの小学校の運動会かな・・? なんて思っていましたが

HONDAのサッカーグラウンドが近くにあるとのこと・・・

それにしてもスゴイ歓声だなぁ~~ なんて、思っていたんですが・・・

あとでインターネットで調べてみると

この日の試合は、HONDAが逆転勝利をした試合らしく相当盛り上がったようでした。

しかも、ステージ1位に望みを繋ぐ劇的な逆転勝利だったらしいですね~

熱い戦いがあったようです。  そりゃ~盛り上がるわけですよね~

あらためて、スゴイ歓声でしたよ!!


http://www.honda-fc.gr.jp/news/detail.php?id=207
本日都田サッカー場にてJFL2nd-ステージ第13節、
横河武蔵野FC戦を2-1で逆転勝利を収めステージ1位に望みをつないだ。


大昔も 現代も、ここ三方原では熱い戦いが繰り広げられるようですねぇ~・・・

◆ 三方原の戦い
http://rebox.hamazo.tv/e6217814.html





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