広島原爆投下の日

カテゴリー │社会・歴史関連

昨日、8月6日は広島原爆投下の日だったんですね・・・

広島は、高校時代の修学旅行で、たしか・・行ったような思い出が・・・

・・・もう、30年以上昔になりますか・・・

広島の原爆資料館にも行ったような記憶があります。 

すでに記憶にはあまり残っていませんが・・・

                        【http://youtu.be/eEOZ1sBppWs
広島原爆投下の日


原発・原爆のあり方を考えるのも必要ですが・・・

やはり、現実に体験した話しには、強烈にインパクトがありますね。

本当の現実を体験していない わたしたちが・・・

本当の現実というモノを、頭に刻み込んでおくことも重要なんじゃないかな

と思います。

                        【http://youtu.be/eEOZ1sBppWs
広島原爆投下の日


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「業火の原爆・屍の山」  山脇佳朗 

めざす工場まで、あと100メートルというところまでたどりついたところ、
立ちあがった先頭の兄が「ぐっ!」、異様なうめき声をあげて顔をそむけた。
肩越しにのぞくと、10歳前後の男の子が口一杯に白い束をくわえて死んでいる。

それが死んだ体から、一斉にとび出した無数のうじ虫である、
と気づくまでには、しばらく時間がかかった。

あとは吐き気をこらえながら、夢中で死体を乗り越えて父の工場にたどりついたのである。
見慣れた父の工場も焼け落ち、赤茶けて、へし曲がったスクラップの山に変わりはてていた。

でも、破れた煉瓦塀越しに、数人の生きた人影を見つけて私たちは、やっと生きた
心地をとりもどしたのだった。

「あのう、山脇ですけど、父はどこでしょうか」、

兄がはずんだ声をかけると、
ふり返った人々の中から一人があゆみ寄ってきた。
 
「やあ、ぼっちゃんたちですね」 と答えた声も、期待通り明かるかった。

「お父さんは、あちらですよ。笑っておられますよ」

煉瓦や鉄くずを踏み越えて、私たちは指された方へ走った。

 しかし、私たちの前に現われたのは、笑ったような表情で死んでいる
父の姿であった。

その夜、父の遺体は、生き残った人びとの手で荼毘に付された。
火葬場も破壊されて、そうするよりほかに方法はない、とのことだった。
角材を並べた上に寝せられ、その上に焼け残りの板ぎれがうずたかく積みあげられたのだが、
二本の足は不気味に突き出ていた。

薄暗がりの中で火が放たれ、高々と炎がのぼっても、二本の素足は炎に
突き立ったように、くずれようとしなかった。

私たちは、あふれそうになる涙を押さえながら、父の足首をなめていく炎を見つめていた。


広島原爆投下の日


遺骨を引きとりに行ったのは翌朝である。
父の身体が目の前で焼かれるのを見た私たちは、道ばたのどんな死体にも恐怖や
気味悪さを感じなくなっていた。それらは、通行のじゃまになる障害物でしかなかった。

三人ともすっかり無口になり、隣組の人たちのひと言、ひと言がうるさく思えて仕方なかった。
だから、ついてきてあげよう、という申し出も、かたくなに断ったのだ。

兄が骨つぼのはいった風呂敷包みをぶらさげ、私たちは、あとについて黙りこくって歩いていった。
 川ばたの細い道も、昨日ほど苦にならなかった。
 
 はちきれそうにふくれあがった死体の鼻や傷口には、無数のはえがたかり、
 うじがわきはじめていた。死臭が鼻をついた。

ふと見ると、川ばたの死体の間に、真っ白い紙片が何枚も散らばっていた。
ひろってみると、がり刷りしたアメリカ軍の宣伝ビラである。

「即刻都市より退避せよ、日本国民に告ぐ」という見出しで、へたくそな字が並んでいた。
「紙は上等だな」と兄はいい、それをポケットに押しこんだ。

 再び父の工場にたどり着いたとき、私たちは、ぼう然と顔を見合わせた。
 父の遺体は手足だけが骨になり、遺体のほとんどが灰にうずもれた
 ままだったのである。並べて焼かれたほかの遺体もそうだった。

 工場の人たちは、だれひとりきてはいない。
 もう一度、火葬をやり直すにしても私たち三人で、どうやってそれができよう。
それに、昨夜の再現はもうご免だ、という気持ちは、兄だって同じのはずであった。

 「拾えるやつだけ拾え!」ぼんやり突っ立っている私たちを兄は鋭い声でどなりつけた。
 「憤ったってしょうがないじゃないか。ぼくらのせいじゃないよ」、
私はそういいたかったが、黙って灰をかきまわしはじめた。

でも、あるのは、指や手首までの骨にすぎなかった。
 しかも、灰をかきまわすにしたがって、父の遺体はあらわに浮かびあがり、
拾う骨がほとんどなくなるころには、泥人形のような父の胴体が灰に
まみれてころがっていた。

 「おい、どうしよう、帰ろうか」その声には、さっきの剣幕などどこにもなかった。
たしかに、骸骨に灰をかぶせたような姿は、生の遺体よりはるかに気味の
悪いものであった。

「たったこれだけで・・・あとはどうするの」、私は弱気になった
兄をいじめる気で聞いたのではない。
たったひとにぎりの小骨で父を見捨てる気になれなかったのだ。

だが、私のこの言葉がもっと残酷な光景を見せることになってしまった。
しばらく灰まみれの遺体を見おろしていた兄は、もう一度小さな鉄の棒を拾いあげた。

「よし、そんなら、おやじの頭蓋骨でも持って帰るか」、いった勢いにもかかわらず、
手にした棒は、振子よりも軽く遺体の頭にふれただけであった。
ところが、それは意外にも、もろかった。

薄い石膏細工を落としたように、からは二つに割れ白濁した中味が流れ出したのである。
弟が奇妙な声をあげて逃げ出し、私も兄も、それに続いて駈けだした。-

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~





◆ ヒロシマ原爆の日
  http://rebox.hamazo.tv/e2562874.html

◆ ファットマン
  http://rebox.hamazo.tv/e3154725.html

◆ なぜ長崎に原爆投下されたか
   http://blog.glx.jp/article/159565143.html





◆木造のユニットハウスなんてどうかな 新着記事

>>最新画像の一覧を見る>>ブログの記事一覧を見る

ブログマイアルバム    ブログ記事写真のアルバム集ですね!!

ブログマイマップ    三ヶ日町のマニアックな場所への地図情報を検索できます。

同じカテゴリー(社会・歴史関連)の記事
里の家
里の家(2015-11-24 09:13)

三方原の戦い
三方原の戦い(2015-07-10 13:55)

サクラサクラ
サクラサクラ(2015-03-31 12:28)

イスラム国
イスラム国(2015-02-01 14:09)

終戦記念日
終戦記念日(2014-08-17 05:06)


この記事へのコメント
こんにちは
原爆投下 は悲惨な出来事ですが
戦争において 弱い場所を攻めるのは 常套手段です。
それが非戦闘員の住む都市でも

戦争にルールを作った時点で 戦争なんか無くならないと思うのです。

どんな事されるか解らないから怖くて戦争が出来ないって言うのも良いかも?

原子力発電についても 平和利用を隠れ蓑に
軍事転用をもくろむ 勢力があるから
あんなに税金を投入出来るのだと思います。

米国だって おもちゃを手に入れたら使いたくなるのは人情かも(^^;)

もうじき終戦記念日が来ますが 終戦記念日って言って居るので
下手をすると 若い人たちの中には 戦争に負けた事を知らない人が居るかも
学校の歴史でも せいぜい日露戦争・226事件位までで 卒業してしまうので
米国と戦争した事自体知らない若者も多いみたいですね。
ま~ お隣の国の様に反日思想的な教育をしないだけましだと思いますが。

結局 イジメの様に イジメた人は 記憶に止めないけれど
イジメられ人は シッカリと記憶に止めています。
中国・朝鮮・アジア諸国を イジメた記憶は それほど無いのに
米国に イジメられた記憶(原爆投下)はシッカリと覚えている
なんかチョット矛盾を感じている しか225です。

なんか とりとめのない長文に成ってしまい すみません。
Posted by しか225しか225 at 2012年08月08日 13:31
> しか225 さん

そうですね・・・同感ですね~ 戦争は、なくならないと思います。

戦争をおこす人間・・・戦争をやりたい人間は、やはり居るわけで・・・
そういった連中は、戦争をおこすためにいろいろな仕組みやシステムを
作ります。

>・・・米国だって おもちゃを手に入れたら使いたくなる・・・

もちろん米国以外でも、おもちゃを使いたいし、消費したいでしょう・・・
そうしないと、軍需産業が疲弊してしまいます。

どんどん兵器を作って消費して・・・新兵器を開発して・・・

>・・・中国・朝鮮・アジア諸国を イジメた記憶は それほど無いのに
>・・・米国に イジメられた記憶(原爆投下)はシッカリと覚えている
>・・・なんかチョット矛盾を感じている しか225です。

へぇ~~~ えっ・・・そうなんですか・・・? 中国・朝鮮・アジア諸国をイジメたのは・・・いったい・・・どこの国なんでしょうかねぇ~・・・?
わかりませんねぇ~~~?????

米国にイジメられた・・・? イジメというよりは、実験でしょうね~
イジメは人間にたいしてですが・・・モルモットに対する実験・・・

黄色いサルへの実験といったところでしょうか・・・?

まぁ・・・そんなとこでしょうね~~白人主義なんてモノは!!
Posted by reboxrebox at 2012年08月09日 07:47
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
広島原爆投下の日
    コメント(2)