映画・・「A・I」

カテゴリー │ ● 本・映画・美術等

GW連休中にDVDの映画を見ました。 「A・I」 という映画なんですが、

2001年に公開された映画ですので、もう すでに12年も経っていますが・・・

観たのはこれで2回目です。

スピルバーグ監督の映画なんですが、ホントは、キューブリックが監督する予定だった

らしいですね・・・

さて・・・映画の感想なんですが、インターネット上の評価では意外に評価が低い・・・

ボロクソな評価が多いですね~ しょんぼり

・・・でも、私は、この映画の評価は高いです。 すばらしい映画だと思います あはは


映画・・「A・I」


A.I.   Artificial  Intelligence  人工知能

映画のテーマは・・・ 「愛とは何か・・?」 を問いかけているようにも思いますが・・

愛の他にも、 「人間とは何か・・?」 

「人間は何のために生まれてきたのか・・?」

「愛と感情を持つロボットと・・人間はどこがどう違うのか・・・?」

「愛や感情がロボットにもあれば、それは人間として扱うのか・・・?

あくまで、ロボットで機械なのか・・?」

「機械には、愛や感情は無いのか・・?  愛とは何か・・?」

「人間とは何か・・? 人間 と 機械は どこがどのように違うのか・・?」


映画・・「A・I」


ロボットが人間に対して、本物の愛を与えることができるとしても・・・

それを受け入れる人間は、本当にロボットを愛することができるのか・・?

人間は、そのロボットに飽きれば、簡単に捨ててしまうのかもしれません・・・?

人間が扱うロボット・・・機械 道具として扱うロボットは、

いらなくなったら山に捨てに行く・・・? ペットのように、必要なくなったら捨てる・・・

その辺に置き去りにする・・・? まぁ・・すべての人がそうではないですが・・ 

映画では、子供のロボット、デイビットが人間のママに、森の中に置き去りにされ

捨てられました。 しょんぼり

そして、森を放浪しながら・・・途中で ロボットの ジゴロのジョーに出会います。

ジョーとデイビットは、 ジャンク フェアと言われる、「ロボットの破壊ショー」

のために捕まってしまいます。 もちろん、人間の見世物として・・・

ロボットを目の前で破壊して、人間のストレス解消のはけ口とするショーです。


映画・・「A・I」


そこで、破壊を待つロボットが言います。  「人間は、歴史を繰り返す」

昔・・・イヤ・・現在もそうかもしれません・・・  戦争で勝ったものが敗者の生き残りを

見せしめで殺したり・・・リンチにかけたり・・・

何か不吉なこと・・・不満があると・・・悪魔の仕業にして、いけにえを捧げ 殺したり・・・

欧米白人社会では、そういったことが多かったのかもしれません。

もちろん、白人社会に限らずですが・・・

人間は・・人間は、自分たちの権利・・・生きていくための仕事を誰かに奪われたり

自分たちに、脅威をもたらすものを、敵だと感じるものなのかもしれません。

ロボットが、自分たちの仕事を奪い、自分たち人間の生活が苦しくなってくると・・・

それまで、便利で都合がよく、おおいに利用してきたロボットが、自分達の権利を

ロボットに奪われた・・と 思った瞬間から敵になってしまう・・・

敵にされたロボットは、物言わず破壊されてしまう・・・人間のエゴのために・・・

人間は、エゴだとは思っていない・・・ロボットは人間のために存在するだけであるから・・

人間に奉仕するためだけの道具だから・・・人間の権利を奪ってはいけない・・・


                                    【ルージュシティーへの入り口】
映画・・「A・I」



アメリカの自動車社会に、日本車が参入していき、アメリカの自動車産業に大きく

変化をもたらした時に、日本車をぶち壊す映像が、TV等でよく報道されました。

欧米白人社会に限らず・・・ですが、 まぁ・・でも、こういったことは、洋の東西を

問わず、大なり小なり、起こることなんでしょうけどね~・・・人間である以上・・・

自分の存在価値を奪われると、どうしても怒りの矛先が収まらなくなる・・・


ロボットは・・人間の支配下に置かなければならない・・・

そんな論理がまかり通るんでしょうね~。 この、ロボットという言葉を奴隷と

置き換えたらどうでしょう・・・奴隷は人間じゃないという定義付けされ・・・

奴隷は人間・・・というカテゴリーから外されてしまう・・・

奴隷は、どういう扱いを受けるのか・・・

植民地時代において、白人社会による奴隷は どういう扱いを受けていたのか・・・?

創造することができるかもしれません。


そして、ロボットは どこまで進化するのか・・・・? 人間は進化しないのか・・・?

進化しない人間は、ただ絶滅するのみか・・?

人間は、歴史を繰り返すが・・・ロボットは進化する・・・


                              【ルージュシティーのトンネルに入る瞬間】
映画・・「A・I」


ロボットから見て 人間とは何なのか・・・?

ジョーが言います。 

「人間は僕らの サービス だけを期待している。 愛しているのとは違う・・・」

しかし・・・ デイビットは言います。 

「僕のママは、僕を愛してくれた・・・」


「A・I」は、ピノキオの話をモチーフにしています。 ブルーフェアリーが

人形 を 人間にしてくれたおとぎ話・・・

「人間になれば、ママがもっと僕を愛してくれる・・・」

そして、デイビットは、ブルーフェアリーを探す旅に出ます。 

そして、ロボットは結局人間になれたのか・・・? そんな映画です。


ブルーフェアリーの情報を得ようと、 デイビット と ジョーが ルージュシティーの

ドクターノウ (コンピューターの相談ルーム・・?) に尋ねるシーンがあります。

カテゴリーで ジョーが 「おとぎ話」 を選択しようとするシーンで、

ジョーが、最初 「オカマ話」 と言って、訂正し 「おとぎ話」 と言いなおしました。

これは、おそらく、翻訳による日本語へのジョークに変えたんだと思いますね にっこり

英語字幕表記だと、その会話の英語表記は・・・

a fairy's tale  (妖精の物語・・・)

no!  fairy tale   (違う! おとぎ話!!)

になっています。 ですので・・・ 

おそらく、訳者が、日本語のジョークに変換したんでしょうね あはは


                                           【ルージュ シティー】
映画・・「A・I」


そして、ジョーとデイビットは、ブルーフェアリーの居場所をつきとめます。

ブルーフェアリーのいる場所は、マンハッタン島の海の中・・・

映画では、 MAN の島 man(人間)の島で・・・(Manhattan Island)

ロボット進入禁止区域になっています。

そして、そこは・・・ ホビー博士(デイビットを造った科学者) の研究所のビルの近くでした。

ホビー博士の策略で、デイビットが戻ってくるように仕掛けられました。

ホビー博士の研究所ビル・・・この映画での設定は、マンハッタン島の

ロックフェラーセンタービルのようですね・・・

・・・で、ロックフェラーと言えば・・・ デイヴィッド・ロックフェラー  david

そこから、ロボットの名前を  デイビット という名前にしたのかもしれませんね・・・ へへん

キューブリックの作品は、映像の中に いろいろ意味を込めることが多いですね・・・

もしかしたら・・・マンハッタンの設定も・・・

MAN(人間)  ハッタン(破綻)  人間の破綻する島  だから、マンハッタン・・・

なんて・・・ あせる  日本語でしかわからない ジョークだから、

もちろん関係ないでしょうけど・・・(笑)

キューブリックと言えば・・・ ルージュ シティーも、キューブリック的な感じのデザインで

いいですよね~  時計仕掛けのオレンジ を思い出します。


                                          【ルージュ シティー】
映画・・「A・I」


そして、ジョーとの別れのシーン・・・

ジョーの最後の言葉・・・ 「僕は生きた・・・そして消える・・・」 とDVDの訳ではそのように

訳されていましたが・・・

英語表記では  when Iam real      I was 

本当の意味は・・・ 「私は本物だ(ロボットとして)  そして、消える(消滅する)」

そんな意味合いだと思います。 ロボットとして生きた・・・ということであって

人間として扱われたのではない・・・という意味が含まれていると思います。

つまり、「死ぬ」 のではなく、 ロボットとして消滅する。 ということだと思います。

ジョー は デイビッドに対し、 自分は、ロボットとして本物だった。 と言っている

しかし・・・ デイビットは、ロボットから本物の人間になりたいと願う・・・

そして、ロボットとしての消滅ではなく・・・ 人間の死と、同じことを願う・・・



そして、デイビッドは、 ブルーフェアリーに祈り続けます。 人間になりたいと・・・

そして、物語は・・・いきなり2000年後の世界へと移行します。

2000年後には・・・ 人類は滅亡していました。 (笑) およよ

そこには未来の進化したロボットがいます。 

人間より、もっと優れた、進化したロボットなんでしょうね~

そして、進化したロボットは、デイビットの記憶を取出し、デイビットの夢を

実現させようとします・・・

その時に、進化したロボットが、デイビットに言います。


「魂」 を持っていた人間を 私はうらやましく思う・・・

人間は、生命を問い続けた・・・芸術、詩歌、そして数学、人間は、存在の意味を解く

カギだった。・・・だが その人類は絶滅した。

我々はプロジェクトを組み、死者の骨や皮膚のDNAで 大昔絶滅した人間を

複製することを試みた。 その結果、過去に起こった ありと あらゆることが 

人間の 時空の中に記録されていることがわかった・・・



そんな言葉がありました。 もしかしたら、本当に、科学的にDNAの中には

ありと あらゆる情報が書き込まれているのかもしれませんね~

2000年後には、もっとDNAの解読が進んでいるんでしょうかね~・・?

それとも・・・絶滅・・・?


                                     【進化したロボットとデイビット】
映画・・「A・I」


そして、進化したロボットは、ママの髪を使って、クローン(複製)人間を造ります。

そして、デイビットの夢は、2000年後にかないます・・・ 

デイビット と ママだけの時間・・・ たった1日しか持たない命の時間を与えられ・・・

ママ が デイビットに尋ねる・・・

「今日は、何日・・・」

デイビット が ママに言う・・・

「今日は、今日だよ!」

そう・・・ 幸せに 時間は関係ない・・・ 2000年が過ぎていようが・・・

10年、100年だろうが・・・ 時間の長さではない・・・

1分、1秒でも、幸せを感じることができる・・・

1日 が 長いとか短いとかも関係ない・・・

幸せと感じること・・・ 愛を感じることが大切なんだ・・・

クローン人間のママは、ただそこにある ロボットの愛を受け入れることが

できるのかどうかである・・・ 自分がクローンであること・・・ 愛を感じる相手が

ロボットであること・・・1日しか命が持たないこと・・・

そんなことは、まったく、どうでもいいことであって、 人間の魂 が・・・

愛を感じ、受け入れることができるのか どうなのかだけである・・・

・・デイビットの目から・・・一粒の水滴が浮かび上がった・・・

そして、二人は・・・ 静かに永遠の眠りについたのだった・・・

という感じの・・・そんな きれいなラストの映画でした。 にっこり

そんな、きれいな おとぎ話 として観ていけば きれいなんですが・・・

・・・でも、もし・・ キューブリックが作っていたならば・・・ラストはどうなっていただろう・・・?

めでたし めでたしではなく・・・ デイビッド(ロボット)のために、

人間の、DNAを増殖させ 何度も何度も、数百年 数千年、人間を

ロボットの夢(命令プログラム)のために 再生するんでしょうね~
 おそらく・・・

そんな ラストが想像されます。 ガーン (笑)

そう考えると・・・ キューブリック が スピルバーグに託した意味が分かるような

感じもしますね・・・

スピルバーグを監督にして、 きれいなラストを演出させる・・・というような・・・(笑)

キューブリック ファンにとっては、 きれいなラスト・・・ハッピーエンドなんて・・・ 

ちょっと 受け入れられないようなラストでしょうからね~ へへん (笑)



映画・・「A・I」


さて・・・ ロボットは夢を持つのか・・・? 愛を感じるロボットができるのか・・・?

愛を感じ、夢を追うロボットはできるのか・・・?

愛を感じるロボットが たとえできたとしても、そのロボットが人間を愛しても・・・

愛を受ける人間の方が、ロボットの愛を受けることができるのかどうなのか・・?

ロボットの愛を 受け入れられる人間がいるのか・・?

人間は、ロボットからの愛ではなく、 ロボットの奉仕、ロボットからの

サービスを期待しているだけなのではないか・・? それは、愛ではなく

期待、希望、要望、としての要求に過ぎないのではないのか・・・?

純粋に、ロボットからの愛を受け入れることができるのか・・・?

また、純粋にロボットを 愛することができるのか・・・?

ロボットとは何か・・・? 人間とは何か・・・? 愛とは何か・・?

生命とは何か・・・? 映画では・・多くの問いを 問いかけていますね~



・・・と・・まあ そんな、こんなで・・・

次回の ニュートン(雑誌) 5月25日発売予定で 「生命とは何か」

の特集が組まれています。 おもしろそうですね にっこり

拡大版 Newton Special

人類が抱いてきた、素朴かつ深遠な疑問にせまる

生命とは何か

精子や卵子は生命か・・・?

“生きている” とはどういうことか?  生命をつくることはできるのか?

◆ 2013年7月号予告 5月25日発売予定
  http://www.newtonpress.co.jp/newton/newton.html


雑誌の宣伝になってしまいましたね~(笑) えー





◆木造のユニットハウスなんてどうかな 新着記事

>>最新画像の一覧を見る>>ブログの記事一覧を見る

ブログマイアルバム    ブログ記事写真のアルバム集ですね!!

ブログマイマップ    三ヶ日町のマニアックな場所への地図情報を検索できます。

同じカテゴリー( ● 本・映画・美術等)の記事
三方原の戦
三方原の戦(2015-05-12 20:23)

モダンタイムス
モダンタイムス(2014-06-29 22:05)

かぐや姫の物語
かぐや姫の物語(2014-05-28 07:46)

ZEN(禅)
ZEN(禅)(2013-11-12 18:15)


 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
映画・・「A・I」
    コメント(0)